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6、3急増したクロス・ボーダ一取引。 この結果、1990年代後半から2000年にかけてアメリカ、ヨーロッパ、日本の大企業を巻き込んだM&Aや戦略的提携が目立って増加した。
これを反映して、図204に示されるように世界のM&A総額は90年代後半から2000年にかけて急増し、2000年には3、5兆ドル(400兆円)と過去最高を記録した。 また、表203は2001年までの6年間の世界の巨大M&Aのベスト20を示している。

業種的には通信関係が最も多く、金融、石油関連が続いている。 アメリカ企業にかかわる案件が依然として中心だが、イギリス、ドイツ、日本企業も混じっている。
デイールが巨額になっているのも特徴で、80年代には史上最高と騒がれたKK「による「」「ナピスコの買収もこのリストでは21番目にすぎなしミ。 しかし、ITバブル崩壊後、アメリカ以外の企業によるクロス・ボーダM&Aも急速に後退した。
トムソン・フィナンシャル杜調べでは、アメリカを含む世界全体のM&A件数も、2000年の3、5兆ドルをピークに急減し、2001年には1、7兆ドルと半減した(図204)02002年に入ってからも低水準で推移したが、第4四半期に入って底入れの兆しが出ているとしている。 回日本企業のM&A7、1日本におけるM&Aの推移。
わが国の戦後の企業経営の特色は、ほとんどの業界において設備・技術・人材などの経営資源をそれぞれ市場で調達して、自ら資本と時聞をかけて育てあげる、いわば内部成長偏重の戦略が中心になってきたことである。 大企業による買収は、同一業界における競争力強化のための水平合併、あるいは経営破綻をきたした限界的企業を上位企業が救済するタイプのものが中心であり、件数的にもきわめて少なかった。
しかし、1980年代に入ると、わが国企業活動の本格的な国際化の進展にともなって対外直接投資が急増し、その一環として特にアメリカにおける企業買収が本格化した。 また圏内でも、産業・経済構造の変化を反映した産業再編成やリストラクチャリングが進行し、その過程でM&Aも目立って増加した。
こうした傾向は90年代後半以降いっそう加速している。 欧米先進国で全般的にM&A活動が冷え込む中で、唯一日本では高水準が続いている。
ただ、金額ベースでは世界全体の5%にも満たず、依然としてM&A後進国の域を出ていない。 表204は、M&A仲介会社レコフ杜が集計した、1980年代以降のわが国の大企業によるM&Aの推移を示している。
これにもとづいてわが国企業のM&Aの特色をあげれば、次の通りである。 (1)圏内におけるM&A(いわゆるInIn型)の件数は、1980年代半ば以降着実に増加している。

80年代後半には年平均約230件であったが、90年代に入るとさらに件数は増え、2000年には1、000件を上回った。 20012002年も高水準が続いている。
(2)海外におけるM&A件数(InOut型)は、わが国大企業の海外進出に拍車がかかった1980年代半ばを境に大幅に増加した。 円高基調が定着した87年には件数ベースでInIn型を上回り、90年には459件に達した。
この中にはSのコロンピア・ピクチャーズ買収(89年、6、440億円)、MのMCA買収(90年、7、800億円)、ブリヂストンのファイアストーン買収(89年、3、337億円)などが含まれる。 またInOut型は大規模なものが多く、金額的にはInIn型の10倍程度になっている。
90年代前半には件数、金額ともに減少したが、後半になると大型の案件が増加し、とりわけ99年には2兆円を上回った。 (3)外国人・外国企業によるわが国企業のM&A(いわゆるOutIn型)は1990年代半ばまでは件数・金額ともにきわめて少なかった。
しかし、わが国の金融システムの破綻と大規模な企業のリストラクチャリングの必要性を受けて、90年代半ば以降顕著に増加している。 とりわけ98、99年には金額ベースでInIn、InOutをも上回る規模に達した。
2000年以降も件数ベースでは高水準である。 (4)形態別では買収が最も多いが、営業譲渡、資本参加によるものも非常に多い。
また合併、出資拡大も趨勢的に増加しており、最近ではともに年間100件近い水準になっている。 (5)金額的にみると、公表分だけでも1999年から2001年にかけて7兆8兆円に達した。

2002年には大幅に減少したが、それでも5兆円近い水準になっている。 (6)これまでのところ、わが国企業に関するM&Aは事実上ほとんどが友好的なM&Aにとどまっている。
7、21999年以降におけるM&Aの激増とその背景。 表204にみたように、1999年はわが国のM&A活動が新しい局面に入ったことを示す年であった。
規模、金額が急増したことに加えて、内容的にも過去にはなかったいくつかの注目すべき変化がみられた。 1つは、表205に示されるように、大規模な合併、提携の動きが、通信、金融、自動車をはじめほとんどの業種でみられたことである。
とりわけ、これまでわが国企業金融のラストリゾートとして合併の仲介や救済の主役となってきた銀行が、固有化や公的資金の注入を下に入るケースも増えている。 また、件数はまだ少ないが、わが国でもTOBを活用した企業買収が徐々に定着している。
図206は、レコフ社調べによるTOBの件数と公表金額の推移である。 この中には欧米並みのいわゆる敵対的買収に該当するものはまだほとんどみられないが、メインパンク制の破綻と株式相互保有制度のなし崩し的解消によって、わが国でも近い将来TOB市場が拡大する条件は整いつつあると考えられる。
団今後の課題メインパンク制度の破綻、株式相互保有制度の崩壊、産業再生機構の確立をふまえて、わが国企業のリストラクチャリングは今後さらに本格化するものと考えられる。 これにともなって、あらゆる業種や企業規模にわたって、様々な形のM&Aが今後とも高水準で続くと考えられる。
欧米企業の経験に照らすまでもなく、変化の激しい現代にあっては、もはやM&Aを臨機応変に駆使しなければ、リストラを迅速に遂行し持続的な価値創造活動をおこなうことは困難になっている。 第23章に紹介しであるように、GEの前CEOのジャック・Wは大規模なリストラを推進した1980年代前半には、4年間で実に152の事業を売却し、300以上の事業を買収している。
また「コラム」で取り上げたIBMの前CEOのルイス・ガースナーは、M&A中心の経営には非常に批判的であったが、それでも彼の在任期間9年中に約90件の買収をおこなっている。 わが国大企業の聞でも、もはやかつてのようなM&Aに対する拒否反応はみられなくなった。
しかし、今後、日本企業が経営戦略の不可欠のツールとしてM&Aを駆使していくには課題も多い。 その主なものとして次のような点が指摘できる。

(1)依然として価値創造推進ではなく存続のための合併、救済のための買収が多くみられる。 (2)対等合併が大前提になっているため合併比率が実態と誰離しているケースや、合併比率、買収価格の合意なしに話し合いが進み、破談になるケースが多い。

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